『ひぐらしのなく頃に』俺の解



悟史が犯人という前提に基づいて、事件の経過を組み立てていくテスツ。



事件の経過。

1979年6月。
ダム工事現場監督殺害事件発生。自分の両親がダム誘致派として糾弾されるきっかけとなった工事を反故にするため、悟史が犯人ら五人を流言により操って現場監督を殺害させた。
1980年6月。北条夫妻の殺害。
血縁関係になく、沙都子と反りが合わなかった父親を排除すべく悟史が動く。悟史は沙都子のために誰かを仕向け、父親と母親を崖から転落させるよう画策する。
また前年度の現場監督殺害事件との類似性を匂わせ、今後も事件の起こりやすい土壌を醸成する事に成功。
1981年、古手家当主病死/妻の自殺。
ダム工事が凍結されてなお北条家に冷たく当たる御三家に対して悟史が取った「直接的行動」と見てほぼ間違いなし。古手家を対象としたのは、御三家の中で最も力が弱く、与しやすい相手だったからと考えられる。
梨花の父親の死因である『急性心不全』は、原因となる疾患が不明の際に往々にして用いられる(死因分類法ICD9、基本分類コード428)ため、信憑性に欠ける。
妻の自殺については、悟史が夫の死を妻の責任だと思わせ揺さぶることで自殺するよう仕向けたものと思われる。
1982年、北条玉枝撲殺/悟史失踪事件。
この事件に関しては、悟史にとって最も動機がはっきりしている。自分と沙都子を虐待する叔母に対して殺意を抱き、そして犯行に及んだと見るのが妥当。
しかし悟史の失踪だけは誤算で、これは犯行を沙都子に知られた為と考えられる。沙都子は「どうしてこんなことをしたのか」と悟史を問い詰めたのだろうが、悟史は説明する事を頑なに拒否し、沙都子に自らを殺すように言う。
沙都子は悟史をバットで殴打して逃走しますが、悟史は天才的な脳外科医の手術により一命を取り留めます。
一方、沙都子は実の兄を手にかけたという重圧に苛まされるようになる。

82年6月から83年までの悟史の行方は不明(筆者は勝手に東ドイツの孤児院にいたと考えている)。ただ、その間に彼の中で雛見沢全体に対する怨みが募っていったことはほぼ間違いない。
『ひぐらしのなく頃に』のシナリオの舞台となる83年6月には、悟史は既に雛見沢に戻ってきていたものと推測される。その期間に彼は雛見沢の新たな住人――「圭一」に目を付け、彼を使って沙都子を執拗に虐待する叔父を、そして雛見沢への復讐を画策する。
富竹ジロウを殺害し、また圭一に自分の足音を聞かせるなどしてオヤシロさま信仰になぞらえた怪事件を起こすことで心理的プレッシャーを与えた結果、圭一は鉄平を殺害。さらに悟史は予め岐阜県山中で殺害した鷹野に変装し、鉄平を殺したばかりの圭一に接触してさらに心理的に追い詰める。
悟史の用いる手口は、流言を用いて他人に心理的恐怖を与えるか、或いは相手の醜聞に全面的な肯定的態度を示して相手に付け入り、そして自らの思惑を相手の思惑と同化させ実行させるもの。目明し編では詩音が悟史にシンパシーを感じるあまり自らを悟史の代行と捉えるが、特にこの手口が顕著になっている良い例である。
後はこのまま圭一がさらなる疑心暗鬼の渦に落ち、御三家を葬り去ってくれれば悟史の計画は成功していたのだが――そこで悟史はあるものを見てしまう。
悟史を手にかけたことを悔やみ、叔父の虐待すらもその罰だと思っている沙都子を。
沙都子のためを思ってやったことが、全て沙都子に対して重圧となっていることに驚愕する悟史。それは、全てを沙都子に捧げて生きてきた自分のアイデンティティが崩壊する瞬間だった。
そんな衝撃の中、悟史が思いついたことは「完全なる自殺」――自らを罰するために自分の命を絶ち、のみならず自分を知る全ての人間を消すことで、自分の存在を完璧に抹消する――それは沙都子を傷つけた自分へ課した「本当の孤独」であり、沙都子に対する「唯一の愛情表現」だった。
自分を知る者全てを消すために、悟史は沼に備え付けられていたガス噴出機構をコックオン。こうして雛見沢大災害は起き、自分を知る人間=雛見沢の住人は全て死に絶え、悟史という人間は人々の記憶からすらも消え去っていった。
……しかし後日、詩音と葛西、圭一だけが生き残っていることを知る。
「完全なる自殺」を遂行するため、8月11日、悟史は葛西をウィスキーボンボン(筋弛緩剤入り)で殺害。さらに27日には詩音の元に現われ、再会のショックで心理的に不安定になった詩音をで自殺するように仕向ける。
さらに11月29日、病床の圭一に接触。翌日圭一は原因不明の高熱で死亡するが、圭一が残した「足音が、またひとつ余計に……」という言葉は悟史の足音に言及したものだったと推測される。


せっかくなまえがついたのに、だれもなまえをよんでくれるひとはいなくなりました。
さとし。すてきななまえなのに。
















……とかなんとか書いてみたけど
誰か否定してくれ
このままじゃほんとにMONSTERになっちゃうよひぐらし。