灰の中から(挨拶)
独語キノ3巻読書中。
一話目は"Das Land ohne Mauer"(原題:「城壁のない国」)ですが、なんかエルメスが「オレは『エルメス』じゃなくて『ヘルメス』だっつってんだろーがボケ!」とキレている場面があったりして唖然。
あべこべだよドイチュレンダー
『キノの旅』を一読なさった方ならご存知でしょうが、エルメスの名前は「エルメス」です。「ヘルメス」じゃありません。それが、ドイツ語版では"Hermes"がデフォであり、"Ermes"と呼ばれるとキレるようになっております。
すわまた誤訳か――と戦慄したしえさんでしたが、よく考えると、こうする以外に上手い訳が出来ないのも確かなんですよね。
そもそも「エルメス」という語そのものが"Hermes"の仏語発音ですから、日本語版での読み方がどうであれ、「エルメス」はアルファベットで表記する場合に"Hermes"とする以外に方法がありません。この場合はもちろん(小説には単語の特殊な発音を支持する有効な方法がないため)読者には「ヘルメス」が正しい読み方であると受け取られます。
おそらく英語版の読者もヘルメスだと思ってるんじゃないかな。でなきゃハームズとか。
とにかく、「城壁のない国」のエルメスがからかわれるシーンは、「普段と違う名前で呼ばれる」という事がキモなわけでして、普段の名前がHermesと表記されている以上、からかいの名前は"Ermes"にせざるを得なかった――という事なんだと思います。多分。
まあ、上手い改変だとは思いますが。
それでも、エルメスは「エルメス」のまま通して欲しかったなぁ、というのが正直な所。特に原版で慣れ親しんだChenowthとしては。
でもそれは贅沢な悩みというものですよね。そもそも、Hermesという単語であることを明示しながら、同時にその発音は「エルメス」であると示すための方法があるとは思え――
――ありました。
J.K.ローリング方式が
精確にはデラクール方式ですか。ひょんな事から知人のヴェスペ氏(※仮名)から『ハリー・ポッター』の原書を見せて戴いた事があるのですが、その中の登場人物であるフラー・デラクールの独特の訛り(オーボワとか言ってるから、多分フランス人)を再現するために、単語の"H"があるべき部分をアポストロフィーで代用するという措置を取っているのが非常に興味深いと思いました。例えば、主人公のハリーには "'Arry," なんて呼びかけたりするわけです。
この方法を用いれば――つまり、エルメスを"'Ermes"と綴れば――読者はそれが「エルメス」という発音だという事が理解でき、同時にそれが本来Hermesに起源を持つ名前であるという事をも理解できる、というわけです。
初めからこうしていれば、くだんのシーンも原作の味が損なわれずに済んだものを。
そういうわけで、しえさんはTOKYOPOPに、英語版と独語版の増版分について全てのHermesという単語を'Ermesに置換する措置を要求します。前向きに検討してネ☆
――毎度のことですが、もちろんただのネタですから、仮にTOKYOPOP関係者がこの日記を見たとしても、真に受けたりなさらないようお願い致します。
いや、実際関係者の一人が見てるみたいだし。直接編集には関わってないみたいだけど。
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あと「説得力」と「同じ顔の国」も読んでるんですが、色々違うのね。
“キャベツ畑”をHexenküche(魔女の釜)になってるのは何でなんでしょうね。ドイツの子供はキャベツ畑から生まれないのでしょうか? 或いは、ドイツの少年少女達は(※ドイツ語版キノは13歳以上対象)、未だに赤ちゃんは両親がキスをすると自動的に出来るものだと思っているのかもしれませんね。
そう思っていた時期が俺にもありました。
信じろ。
先の日曜洋画劇場の『ダイ・ハード』を満喫しました。
マクレーン刑事の我が身の不幸を呪う口ぶりや、それを笑い飛ばそうとする躁めいた哄笑などは、毎日がブルシットなしえさんにとっては痛快な事この上ないものです。あんな生き方が出来る人は羨ましい。
しえさんも、いつか逆境に立たされたときは「ヒェハハハハハーざまァーみやがれェー」と精一杯強がってみたいものです。
あくまで強がりに過ぎないがな。
一言メイル返信。
>モル様
4コマアンソロジーは作者様の多大なる脳内補正がかかっている場合が多々あるので、あんまり信用しないのがしえさんのポリシー。無論その脳内補正とて、しえさんの行うそれに較べればほとんど問題にならない程度のものなんですが。
今、かつて書いた二次創作の諸々を読み返すと――原作の面影が微塵でも残っているかと自問せずには――
>Herr Inuzuka
Sie auch? Das ist ein kurioser Zufall, oder?
Übrigens, ich denke, dass "Kinos Reise" für PS2 mit Stimme von dem Mann nicht so schlecht ist. Die flache Stimme gefällt mir. Das Spiel mit der Stimme kann besser wenigstens sein als japanische Version. Ich hasse die Stimme Hermes' sehr und hoffe(ry
――独語が滅茶苦茶だ。
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