12月 1日(火)
ここは荒野のウェスタンだ(挨拶)




 吾が眼で見るに、博麗の巫女は篭の中に吊るされて、童らに「巫女よ、何を欲するか?」と訊ねられて答えけり、曰く「賽銭」と。
  ――ペトロニウス『サテュリコン』





日本版は吹替えで! ラストまで見逃すな『モダン・ウォーフェア2』日本語版プレイムービー

 いよいよ日本上陸する本作の最新のプレイムービー2本が到着したのでご紹介する。吹替えによる日本語ローカライズが施されており、状況の把握もバッチリ。日本語字幕では表示しきれない細部まで吹替えが行われているので、緊迫したストーリーを細部まで理解できることだろう。





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 北米版買っておいて良かった
 いやァー、心底安心しましたよ! だって、日本語版も購入しようかどうかと思案していたくらいですから。ダウンロードコンテンツや、サーバのマッチングなどで北米版との差異が出る可能性も考えられましたからね。P2P方式でオンライン対戦を構成する都合上、回線の良い日本人プレイヤーとのマッチングを望むならば、それくらいの事はするつもりだったんですが……そんな考えなんかフッ飛んじまいましたよ。
 ありがとうスクエニ
 そして二度とローカライズに手ェ出すなよ



 ……一応釈明しておきますが、しえさんは別にオリジナル音声至上主義者ではありません。映画『コマンドー』なんかは吹き替えの方が好きです。学生時代に英語を専攻していた過去から来るバイアスはあるかもしれませんが、それでも戦争映画は英語の方がしっくり来ます。
 なにしろ戦争は日本語に訳せないんですよ。
 日本という国は戦後60年も戦争を経験していない(事になっている)ために、語彙からそうした言葉が喪われてしまいましたし、特に現代戦に於けるボキャブラリは貧弱極まりないです。兵隊同士のフランクな俗語など理解できるべくもありません。
 戦争映画にしても、字幕が全て精確とは限りません。しかしそれゆえに、より奥深く作品を堪能するためには原語で聞いて(あるいは読んで)辞書を繰り、字面の裏に秘められた意味を汲み取るのが肝要であると思います。いわば、日本語の吹き替えや字幕はあくまで最大公約数的なもので、本質そのものではないからです。
 前作『コールオブデューティー4』の日本語版も翻訳の酷さでは有史以来のレベルでしたが、それでも英語音声のおかげで問題点はすぐさま把握できました。しかし吹き替えの日本語字幕となると、オリジナルから何が損なわれたのかも分からぬままに、プレイヤーに理解されてしまう惧れが多分に出てきます。



 というか、吹き替え音声収録に時間を費やすなら、テキストだけ翻訳してさっさとリリースすれば良いと思うんですが。
 E3のプレスカンファでInfinityWardに人気をカッ攫われたスクエニの報復のつもりか。



 あと、日本語音声って押並べて「叫んでる感じ」がしませんよね。
 自宅で収録してるんじゃないかと思うくらい静かな発音です。英語だともっと声を張り上げてるんですが。



 最後にもう一つだけ。
 アレンは二等兵じゃなくて一等兵です(Private First Class)。




12月 4日(金)
Modame Warfare 2(挨拶)




 『Modern Warfare 2』のJapanese ver.はクールだね! 日本のAnimeみたいだよ!
――リックハルト・ウォーカー





 以前、YouTubeでアップされていた英語吹き替え音声版の『涼宮ハルヒの憂鬱』のコメント欄で、「クソビッチの英語入れんじゃねーよ! 俺はみくるんるんの日本語が聞きてーんだよ!」とブチ切れてる外国人を見た事がありました。
 「なんで? テメーの母国語のが耳触り良いだろうに」とその時は思ったんですが、今にしてみれば彼の気分はよく分かります――『Modern Warfare 2』の日本語吹き替え音声を聞いた身としては
 『フルメタルジャケット』に匹敵する翻訳の妙があればまだ助かったんですが、あるのは意訳を通り越した誤訳のオンパレードで、それが臨場感のない声で読まれるんだからどうにも擁護できません。幸い北米版を買っておいたので、しえさんはこの『Modame Warfare 2』をプレイする事はないでしょうが、仮に日本語版でプレイしていたらクリアする前に人生を終えていた事でしょう。心が笑い死ぬ。
 思うに、「声」ってのも立派にその作品を構成する要素であると思うんですよ。
 映像のあるカットの中での小道具や人物の配置が芸術たり得るならば、一瞬の息遣いや声の擦れ具合なんかも芸術たるべきで、そうしたものを全てひっくるめたものが『映画』なのです。そして映画に匹敵するとさえ言われる『Modern Warfare 2』にその全てを求めるファンがいたとしても、それは何の不思議でもありません。
 スクエニはその音声を吹き替えてしまった。
 よりにもよって。

 ……と書いてはみたものの、この書き方はちょっと強硬すぎますね。
 この論法で行けば、我々は原文の律格の美しさを堪能するためにキケロをラテン語で読まねばなりませんし、シャーロック・ホームズを読む際には当時のロンドンの風俗に知悉しておらねばならない事になります。文化を異にする人間の作った作品を100パーセント満喫するなんてことが、そもそも可能なのか、ちょっと分からなくなりました。
 特に今回の場合は最近の低年齢層の識字率も真剣に考慮すべきですし、日本語字幕を付与しただけじゃ「漢字難しくて分かんねーよ!」という向きもあるでしょうから、『Modern Warfare 2』を日本語吹き替えにしたスクエニの姿勢は大企業としては正解なのかもしれません。これに加えて、筋骨ムキムキでモヒカンなMacTavishをサラサラ金髪のイケメンに置き換えてくれれば、日本のユーザにぴったりマッチする作品になるでしょう。

 ……何よりアレなのは、日本語版よりも北米輸入版の方が値段が安い事だと思いますが。



 まぁ、そんなローカライズ問題なんぞにはあまり興味も持たず、今日までずっと「ラヴクラフト全集」マラソンをしておりました。
 順番もテキトーに読み散らかしてましたが、やはりHPLはイイですね。特にしえさんが驚嘆するのは、一見独立した作品のように見えて、物語の端々に他作品とのリンクを示す記述が隠されているという、その凝った仕掛けです。例えば神格の名前であるとか、あるいはランドルフ・カーター(案外友人が多いらしい)に関する言及なんかですね。サリンジャーの作品にもある共通のタームが登場する傾向が見られますが、作家という人種にはまず基盤となる世界観があって、それが満遍なく、あらゆる作品に滲み出てくるのかもしれません。
 あと猫の可愛さ。
 「ウルタールの猫」や、「未知なるカダスを夢に求めて」に登場する猫の可愛さは、かつて猫について記された本のどれをも凌ぐ破壊力があります。粘液質や狂気の化物に溢れた作中世界の、そこだけがモフモフしてるというのも妙ですが、ラヴクラフトがそれだけあの「優雅な生物」を愛していたという証拠でしょう。いろんなものを悪意たっぷりな筆致で綴る彼ですが、猫に関してはほぼ偏見とさえ言えるまでの好意的な書き方ばかりです。
 書簡集も買っちゃおうかな。
 でも、あの手のモノって個人的に好かないんですよね。作品研究に必要なのは分かりますが、一個人としての生活と作家としての創作活動が不可分である、という理論を信じない性質なので。『走れメロス』を書いた作家の実生活が(※この辺は書簡集や未発表作品で垣間見える)およそ道徳的とは呼べないと知ったらどうよ?
 ……まぁラヴクラフト自身、作家としては異常なまでにキャラが立ってるんで、彼の人とナリを知る事そのものは面白そうですが。



 さて、最近は円高だ不景気だと言いつつ物価そのものは下がっていたり、中国人が日本の公共事業に口を出してる姿がテレビに映し出されたりと世の中が変な方向に進んでいるようですが、遂にしえさんの生活にも影響が及んできました。
 実際のところ、不景気とはこれっぽっちも関係ありませんがね。
 単に棲家を変える破目になりそうだと言うだけで。
 ……多くの繊細でない男性と同じく、しえさんも説明書や約款の類はしっかりと読まないし、内容もまったく覚えない性格なんですが、これが今回裏目に出たようです。実はしえさんが長いこと暮らしてきたアパートは、独身者以外お断りのの物件だったそうです。
 しえさんも独身者ではありますが、現在は仮の同居人と部屋をシェアしていますから、これが大家にとって気に入らなかった様子。
 事故物件だったこともあって店子であるしえさんの立場が強かったのと、一応の優良入居者であったために今までは容赦して貰えていたようですが、やはり他の住人への配慮という事でやんわりと退去を迫られることになりました。仮のを追い出してもよかったんでしょうが、なぜかその案を思いつく前に大家に退去する意向を示してしまいました。
 年齢を重ねれば人生も一種のルーチンと化して、変化に乏しくなるだろうと考えていたんですが、どうしてなかなか単純には行かないようです。というか、齢取れば取るほど人間関係も複雑になりますし、生活もややこしくなっていきます。
 とりあえず、年度末までには居を移さないと。

 今回の件については知人友人にもいろいろと助言を仰いだんですが、そのほとんどが良い物件の話ではなく、私の人生についてのアドヴァイスに終始したのは興味深い事実です。



 一言メール返信。


>名無しの人 様
 ここまで日本語版が酷いと・・・吹き替えは素人以下じゃないですか


 プロの声優に任せると↓

Sgt. Forley: 玄田哲章
 「クソッタレィ! (“レィ!”を強調)
Cpl. Dunn: 山寺宏一
 「オイ・ヨイ・ヨーイ、シェパードがンなコト気にしたコトあンのかよォ♪」
MacTavish: 若本規夫
 「ソぉープぅぅ、プルルァンBだァァ」

 ……ただの木曜洋画劇場じゃねーか。
 ちなみに「固形ウォトカ」について仰っておられましたが、実は日本でも「粉末酒」というのがありまして、しかもちゃっかり酒税法の対象になっていたりします。主にお菓子なんかの添加用だそうですが。




12月11日(金)
棲み潜むハサハ(挨拶)




日本中のオタクがポグロムに遭ったら最高じゃない?
――仮の同居人





 どうもこんばんは。最近まで『とある魔術の禁書目録』に出てくる「初春」の読みが分からなかったHans Chenowthです。
 本編を五巻あたりから全く読み進めていないために興味が薄かったのもありますが、それ以上に人名としてかなり読み辛い部類に属する名前ですよね、コレ。……「Wyhar」でしたっけ。頭に植物が生えてるのが外見上の特徴のようですが、『ブラックジャック』でサボテンに寄生された患者のエピソードを思い出して怖気をふるうことしきり。
 ……いや、まぁ絵を見る限りは可愛いんですけどね。
 しかし、しえさんは生憎と鉄と木と出来た武器が原始的な物理法則に従って敵を倒す展開が好みなので、超能力やらファッキンオカルトパワーで丁々発止する『禁書目録』にはどうしても慣れないのですよ。『ゴーストハンター』シリーズだって最後は銃器使ってたし。
 作中でポン刀のガチンコさせてる位ですから、こういうバタ臭い武器の良さが分かってない訳ではないと思いますが……



 日本酒を飲んでみました。
 ウィスキーなどの洋酒はよく飲むんですが、日本酒はあまり経験がありません。あの独特の匂いや甘さが苦手なんですが、先日上司から「酒はどんなモノでも飲めないと、到底出世はできないよ」という謎の理論を振りかざされて、とりあえずワンカップに挑戦することになった次第。
 そもそも、しえさんと醸造酒との相性が良くないんですよ。
 ワインだって聖体拝領の時くらいしか飲みませんし、ビールだって最初の一杯を終えたら蒸留酒に移ってしまうくらういの弱さなのに、中でも極め付けに度数の高い日本酒ときたね。よくある「熱燗」という飲み方も、酒はキンキンに冷えてるものと信じて疑わないChenowthには拷問に近いものがあります。
 よく「酒が飲める/飲めない」の二極論で語る人間がいますが、酒が飲める人種の中にもこうした得手不得手があるということです。
 で、結果。

 三口で酔いました

 ……決して度数が高いわけではないのに、あの香り立つような甘さが胸焼けを誘いました。頭に酔いが回るというよりは、胃袋にむかつきが襲い掛かるような感覚。
 子供の頃に、親父がコレを徳利に入れて飲むのを見た覚えがあるんですが、仮にも彼の遺伝子を受け継いだ私が(本当に実子なのか?)日本酒に拒否反応を示すとは。しえさん自身もアル中酒豪を自認してはいますが、私の親父はこんな液体を晩酌に供していたんですね。……父よあなたは強かった。



 『Modern Warfare 2』の日本語版が遂にリリースされてしまったようで。
 日本語版というよりは「日本版」とでも言った方が良いほどに別モノと成り果ててはいますが、これもFPSという日本ではまだ馴染みの薄いジャンルのゲームを様々なプレイヤーに遊んでもらおうという、スクウェアエニックスの心遣いなんでしょう。……個人的には、Ghost渾身の「アーンブーッシュ! ターゲェーッ! レフトサーイ、レフトサーイ!」が聴けないというだけで、日本語版ユーザが可哀想になりますが。
 別にスクエニが嫌いなワケでもありませんしね。
 『パラサイト・イヴ』の原作レイプっぷりは忘れてませんが
 ……しかし、『バイオハザード5』といい、最近の国内メーカには落胆させられる事ばかりです。何もゲーム業界だけではなくて、電化製品にしても外国製のが安くて高性能だなんて現象はザラですし、このままでは技術大国ニッポンも中国のスチームローラーに押し潰されてしまうんではないかと戦々恐々。

 まぁそんなパッとしない情勢下でも、今冬発売になる『エンド オブ エタニティ』にはちょっと興味津々。
 和製RPGに特有のワケワカメ設定やら、アシモフの同名小説とは全然別物だとか、メーカーが信頼のトライエースだとか不安要素は一杯ありますが、銃器が出てくるだけで買いたくなるから不思議です。販促動画を見た限りではきちんと薬莢もバラバラ飛びますし、武器のカスタマイズが出来ると聞いては黙っていられません。
 きっとアレですよ。戦闘がガン=カタ並みに激しいアクションですから、銃の作動を確実にするためにエジェクションポートを拡張したり、フィーディングランプを研磨したりするカスタムが勢揃いですよ! 挙句には大型マガジンキャッチやオーバーサイズ・スライドストップ、マグウェルなんかを装備して再装填速度を上げたり、弾丸を通常のボール(※フルメタルジャケット弾)からホローポイントやセミジャケッテッドHPに換装できたりするはずです。
 実際にはもっとファンタジックなカスタム内容のようですが
 ……あ、そういえばキャラの着せ替えが出来るようですね。アレも好印象。
 何も萌えるコーディネイトにして観賞したいなんて言うわけではなくて、ガチPMC風味な服装にして楽しみたいだけです。まさか銃器を手にした女の子がワンピースで戦うわけにはいきませんものね。ここは雄雄しく上下ウーリッチと5.11という釣り人のオッサンバリバリな組み合わせを試したいところです。

 ――誰ですか、「素直にミリタリーFPSやってろよ」とかいう正論を振りかざしている賢明な読者様は。



 一言メール返信。


>楓 様
 内容は駄文に対するものじゃなくてすみません。
 卵焼きさんへのサイトのリンクが404なようです。


 どうもはじめまして。御指摘どうも――と申し上げたいところなんですが、一応リンク切れの件はこちらでも把握しております。ただ、『駄文ハイム』としてはリンク先の管理者様から連絡が無い限りはリンクを残しておく方針にしておりますので、『卯焼き』様の方でも同様の措置をとらせて戴いております。
 一応バナーには「リンクしません」と注記してありますので、以降はそちらで判断していただけると幸いです。




12月15日(火)
俺にはワルキューレの声に聞こえる(挨拶)




女の愛を恐れよ。 かの幸を、かの毒を恐れよ。
――ツルゲーネフ





 こんばんは。Hans “ラヴクラフティアヌス” Chenowthです。
 ……ラテン語っぽく語尾に「-us」付けてみたんですが、本来「-ian」で終わる単語にコレをやると、かなりの確率で「-アヌス」になってしまいますね。アメリカ人が「Asshole!」と口にしても笑って済ませられるしえさんも、「アヌス」という響きを聞くと居心地が悪くなるから不思議です。
 まぁケツの話は置いておいて。
 本日、リンクの方に新たなサイト様を迎えることになりました。エルロイをこよなく愛し、美少女ゲームとハヤカワ(特にヒギンズ)を頭の中でフュージョンさせるという特殊技能を持った管理人サマによって運営されている「深夜プラスONE」です。
 どっかで見たような人物像ですね
 ……いや、実際かなり驚きましたが。広いインターネットでの事とはいえ、自分と趣味をほぼ等しくする同好の士がいたなんて。アニメやゲームを肴に、まったく作風を異にするハードボイルドをクロスオーバーさせて楽しむなんてニッチな遊びに興じる人間が、まさかこの世にまたと存在するだなんて、誰が想像できますか?
 ちなみに、相互リンクをお願いしたのは数週間前のことですが、それ以前から掲示板などにはちょくちょくお邪魔させて戴いておりました。しえさんが管理人氏のエッセイに影響を受けているのは、この日記がやたらと太字やカラーを用いることからも分かる通り。――元々は『東方千年帝国協会』(旧)の日記を参考にしていたんですが。
 ともあれ、読者の皆様も是非リンクの頁から訪問してくださいますよう。



 今年もクリスマスがやってきますね。
 ところで、クリスマスが「やってくる」という表現には、かの祭日に対する期待の念も去ることながら、不可避にして絶対の絶望が訪れることに対する恐怖さえも滲み出ているような気がしてなりません。何故か日本では恋人同士がイチャ付くというステロタイプなイメージによって定着しているこの行事、独り身の人間にはかなり耐え難い日ではあります。
 そもそもどうして、カップルで過ごすことが前提とされているのか?
 思うに、例の大工の息子がこの世に生を受けた記憶日であり、それを家族や近しい人間同士で祝いたいという心理が曲がりくねって、現在のような形に落ち着いたのではないでしょうか。おめでたい日ですから、そりゃ一人で祝うよりも誰かと祝った方が賑やかで良いですよね。それが恋人同士なら尚更。
 ならば、めでたくない日だったら?
 恋人はおろか、親友と集いって騒ぐことも憚られるような悲劇が起きた日として、12月25日が記憶されていたら?
 そう――12月25日は、奇しくも偉大なるソヴィエト連邦が崩壊した日でもあります。厳密には26日らしいけど。
 とにかく、社会主義革命の堡塁が崩れ去ったあの忌まわしい日に、まさか労働者たる我々が浮かれ騒ぐなんて真似が出来るわけがありません。そんなわけで、今年のクリスマスには皆さん粛々とあの連邦に思いを馳せつつ、この崩壊しつつある資本主義の走狗=日帝の有様を腹の底で笑ってやりましょう。この期に及んで街で女と手を繋いで歩いているのはブルジョワと見て間違いありませんから、引き倒して自己批判を求めて結構です。
 ……なんか結局ルサンチマンで12月25日を過ごすことになりそうですね。
 毎年やってることじゃないか。



 一言メール返信。


>卯 様

 メール拝見いたしました。
 勝手にリンクを貼ったという当方の無礼もありましたし、また人目を偲ぶ氏のスタイルも併せて考えたのですが、やはり改めてリンクをさせていただく事に(勝手に)決めました。バナーはこちらで用意させて戴きましたが、御希望があれば何なりとお申し出下さい。迅速に対応できるかどうかは誰も知りませんが。


>モル氏
 慣れんジャンルの酒に手を出すと痛い目を見るもんですね。


 アルコールが入っていればそれでいい、という訳ではないということです。



【駄文ハイムによる『Modern Warfare 2』日本語版に対するコメント】
 ティム・オブライエンの表現を借りれば、「こいつには恐ろしさが感じられない」
 キャラクタの科白から滲み出るのは余裕と虚勢ばかりで、いずれもオリジナルの音声から感じ取れるような、次の瞬間にも死ぬかもしれないという恐怖が感じ取れない。銃声や爆発音が鳴り響く中での会話はほとんど絶叫に近い発声になるはずだが、本編中で聞き取れる日本語はまるで洒落たバーで隣の同僚に話しかけているような声音である。
 誤訳は凄まじく、訳者がスクリプトを渡されただけでゲーム本編をプレイしていない事が如実に伝わってくる。かつて目にした中でも最も凄惨と思われる誤訳・珍訳クリエイターである戸田奈津子女史でさえも、スクウェア・エニックスの仕事の杜撰さには決して適わない。ここまでストーリーの理解を妨げるローカリゼーションは、あの『キノの旅』の忌まわしい英語版を除いて他に知らない。
 いかなる性善説の信奉者とても、これが同時期に発売が予定されていた自社製『FF13』の対抗馬を潰すために、スクウェア・エニックスが目論んだ『Modern Warfare 2』に対するネガティヴキャンペーンでないと信じるのは難しいだろう。たとえそうでなくとも、旧作が全て英語音声・日本語字幕でローカライズされてきたという「伝統」を葬り去った同社の暴挙には、革新的であるというよりは無謀という評価が相応しい。
 何より個人的に一番辛いのは、北米版をプレイした私と日本語版を遊んだプレイヤー達との間で、何ひとつ話題を共有できない事だ。そうしたものの全てが、ローカライズによって無残にも失われてしまったから。




12月19日(土)
ディスオリエンテッド(挨拶)




誰でもないものが、我々の塵に呪を唱える。誰でもないものが。
――パウル・ツェラン





 今更ですが、『東方紅魔郷』の体験版を触ってみました。
 「弾幕ゲーとか無理だろ……」と考えていたんですが、実際にプレイしたら無理以前に操作ができないことに気付いて自分に絶望しました。
 実はXbox360のパッドを接続してプレイしたんですが、何故かデフォルトではショットと低速が同じボタンにバインドされていて、知らないうちに攻撃する度に移動速度激低下というマゾ設定になっていたようです。しかも「あー、こういう仕様なのね。考えたなぁ」と関心してしまったChenowth。
 ……FPSだと珍しくないんですよね。射撃中やエイム時の移動速度が低下するのって。
 とりあえずキーアサインを設定し直したものの、それでもNormalはおろかEasyでさえも悲惨な状況に陥る事に変わりはありませんでした。スティックの斜め入力を受け付けてくれない(Dパッドで対応した)とか、当たり判定がそもそも見辛いとか、「もう電撃イライラ棒だろコレ」な密度の弾幕など、色々と言い訳は出来るんですが……、一言で言ってしまえば、しえさんは『東方』が死ぬほど下手です
 考えたら最近は一人称視点のゲームしかしていません(例:Forza3、MW2、AC6)し、俯瞰視点の感覚を忘れてしまったのかもしれませんね。自分の視界の中で、自キャラと敵キャラが同時に動いているというのは、とても把握しきれるものではありません。そこにあの弾幕が重なったら、正直アイテムでさえも敵弾と誤認して避けてしまいます。
 ファック。
 何より辛いのは、ヒットボックスが何処にあるか全然分からない事です。「うわ、今のは当たった!」と思った弾がやり過ごせたり、その逆にやり過ごしたと思った弾が当たっていたなんて事もザラです。自機と当たり判定のズレがとんでもなくデカく見えるんですが……やり込めばこの辺の感覚も掴めるんでしょうかね。



 そんなわけで、どうもこんばんは。Hans Chenowthです。
 ここのところ寒くなってきたので『ジャッカルの日』でも読もうと思ったんですが、どこを探しても見当たらずに困っています。仕方なく『戦争の犠牲者』でお茶を濁すことにしたんですが、やはり本が増えすぎて管理が行き届いていないなぁと実感。しかも紛失したと思って新しいのを買い直すと、後でどこからか発掘されて、同じ本が手元に二冊――という事態に。
 本に対する愛着が人一倍強いというわけではないと思うんですが、ラヴクラフトの言葉を借りれば「手放すと決まって後悔する」性格なので、やはり蔵書を減らすのは気が引けます。しかもたまに稀覯書とか混じってるし。
 本に限った話ではなく、人生を重ねると身辺にモノが増えていきますね。
 責任とか、ややこしい人間関係とか、無形のモノも沢山。



 仕事用の靴を新調しました。
 新品の靴というと馴染むまでに時間が掛かりますが、これが革靴だと特に顕著です。私生活ではスニーカーを使うせいか、あのビジネスシューズに特有の「硬さ」が余計に身に染みます。
 そのせいか、遂に足指にマメを作ってしまいました。
 数日で痛みは治まったものの、皮膚の下に溜まってしまった水が抜けずにブヨブヨとしたままの状態が続きました。経験上、これで皮膚が破れると真皮が丸出しになり、さらなる激痛と共に雑菌が入ってちょっと厄介な事になることが予想できたので、ちょっとした「手術」をすることに。
 アウトドアズマンやスポーツマンの間では有名な「針と糸」の治療法です。
 御存じない方のために説明いたしますと、ごく普通の縫い針を使ってごく普通の木綿糸を表皮の下に潜らせ、溜まった水を抜き出すというどう考えても乱暴すぎる方法です。しかし、正直言ってこれ以外に対処法がないのが足のマメ。しえさんが旅行に持っていくソーイングセットは、繕い物よりも実はこっちの用途に携行されることもしばしばです。
 ともあれ、足を石鹸で奇麗に洗ってから、胡坐をかいて処置開始。
 上で「手術」と書きはしましたが、表皮組織には痛点がないので、どれだけ針をブッ刺そうが痛くも痒くもありません。しかし皮膚が「攣れる」感覚にはちょっと形容しがたい悍ましさがありまして、これが真皮の表面を擦ったりすると、痛みとはまた違った感覚が背筋を駆け抜けます。
 木綿糸の粗い縒りがズリズリと潜り込む感触はグロテスクの一言。
 あとは木綿糸に沿って患部に溜まった水を表皮の外へ排出すれば良いんですが、そうすると表皮と真皮がより近付いた状態になり、糸を引き抜く際の抵抗も倍増。その感触たるやもはや形容する言葉がありません。
 消毒して絆創膏を巻く段になってようやく人心地が戻りますが、表皮と真皮がしっかり元に戻るまでは安心できませんね。それに仕事で使う靴ともなれば、まだ馴染んでないとは言え、この傷付いた足でもって履いてやらなければいけませんし。
 靴はきちんと選びましょう、という教訓になります。



 先日の日記から引き続き、日本酒慣熟訓練中です。
 初めこそは甘ったるい香りや「弱そうで実は強い」味に馴染めなかったものの、慣れるとなかなかイケる事が分かりました。ワインと違って無駄な果実臭がない分、むしろ飲みやすい印象。熱燗も試してみたんですが、ウィスキーや焼酎のお湯割りと違って臭い立つようなアルコール臭がしないのも好感が持てます。
 そんなワケで、今や部屋にはワンカップの空瓶が散乱した状態に。
 ゴミの日になったら捨てようと思ったんですが、何故か仮の同居人が「ラベルを剥がして再利用する!」と主張したため、それらはコップや植木鉢として第二の人生を送ることに決定しました。洗面所のコップもこれに置き換わりましたし、仮の同居人のテーブルヤシも移植されました。しえさんのペンスタンド代わりにもなりましたし、勿論食事どきの水や麦茶のコップにもなります。
 ……よく田舎のバス停なんかで一輪挿しの代わりになっている光景は見かけますが、部屋の中にこうもワンカップの瓶がゴロゴロしてると、アル中の家みたいで印象悪いですね。仮の同居人は全く気にしていないようですが。
 ちなみにワンカップのプラスティック蓋も「小鉢に使えんじゃね?」と提案したんですが、この案は気に入らなかったようで、すぐに廃棄されました。
 奴が我が家に来てから結構経ちますが、相変わらず考えが読めません。




12月23日(水)
マリサ・ザ・マッシュルーム・ピープル(挨拶)




鏡とセックスは忌まわしい。人の数を増やすから。
――ホルヘ・ルイス・ボルヘス





 1月号の『COMBATマガジン』にWilson製M4クローンの特集記事がありまして、そこで「リュングマンシステムが再評価されている」という一文を目にしました。
 「リュングマンシステム」は自動小銃の作動方式の一種で、ベトナム戦争で故障が多発したことから、悲哀こもごもに語られるメカニズムです。初めての実戦でトチった経緯が影を落としているのか、今でもその評判はあまり芳しくありません。M16(AR-15)系列のライフルは全てこの機構を備えているものの、最近ではピストンロッド方式に改めるコンバージョン・キットや、予め独自の作動方式を備えたクローンを生産するサード・パーティが続出するくらいに不人気でした。
 それが今になって再評価ですってよ、奥さん。
 リュングマン派の言い分としては、ボルトアッセンブリが軽量に作れることによる反動の低減や、どういう理屈か「命中精度が出しやすい」とのことで、特に昔から懸念されてきた高温高圧のガスによるボルトの汚れや劣化については、最新の冶金技術や表面処理で克服できた――などの要因が挙げられているようです。
 そもそも「リュングマン方式は故障しやすい」というのも、粗悪な発射薬が装填された弾薬を使った場合の話でして、ボルトの動きを阻害する燃えカスが発生しない良質な装薬を使えば、大したトラブルには見舞われないという説もあります。まぁ、燃えカスが完全にゼロの装薬なんざ存在しませんから、クリーニングせずに使ってればいつかは故障するでしょうが。でもピストンロッド方式だって、メンテナンスフリーで動き続ける訳ではありませんしね。リュングマン方式の精度や重量を取るか、ピストン式の作動の確実さを取るか、という個人のメンタリティの問題のような気もします。
 しえさんとしてはそもそもAR-15系に拘るのを止めたら良いんじゃないかと思いますが、ここ30年ほどの間にもうライフルの標準形態として定着してしまいましたしねぇ……。米軍の次期正式ライフルだって、操作系は全部AR-15と同じレイアウトですし。個人的にはそんなに良いデザインとは思えないんですが。特に、あのトリガーグループの下端まで延びたマグウェルとか。
 もしかして、アメリカ人はみんなエンスーの集まりじゃないのかしらん。
 最新技術をバリバリ投入するくせに、その素体としてはM1911やM14などの旧来のデザインを利用するあたり、彼らの「伝統」を重んじる傾向が見て取れて面白いと思います。



 そんなわけで、どうもこんばんは。"家飲み派"のHans Chenowthです。
 一年前の経済危機以降、節約のために自宅での飲酒が流行っているようですが、それ以前から節制を余儀なくされているしえさんとしては、何を今更――という気分ですね。メシを喰うのも自宅なら、酒を飲むのも、寝るのも自宅です。女と寝る時だけは外ですが
 とはいえ、最近のChenowthの"家飲み"にも、ちょっとした変化が顕れています。
 つまり、日本酒の台頭。
 ここの所は毎晩のようにウィスキーではなく日本酒を飲んでいるのですが、それによって肴も微妙に顔ぶれが変わりました。以前ならチーズやハムなんざを摘んでいたのが、今では漬物や豆腐がメインとなっています。
 あと個人的に合うと思ったのは、スーパーで売ってる一人用の鍋ですかね。アルミ箔で成型された鍋に、野菜やら魚の切り身やらが入ってるやつ。和風だしの。
 アレをガスバーナの上に乗せて、加熱したのをハフハフやりながら、電子レンジで暖めた熱燗を啜るのが楽しくなりました。この齢になってもまだ、こうした食や酒に対して「楽しい」と思える新発見があるというのは、自分でも驚きです。特に「温かいお酒」というのは新境地ですね。ウィスキーもお湯割りにすれば温かくなるんでしょうが、割ったウィスキーというのは香りが悪くなるのであまり好きじゃなかったり。
 それでも、日本酒ならなんとかイケます。
 幸か不幸か、今年の冬は暖冬傾向だという分析が嘘に思えるほどの冷え込みですから、熱燗と湯豆腐で過ごす夜というのも楽しそうです。
 ただ一つ懸念すべきは、日本酒の持つ糖類や炭水化物の量です。日本酒は醸造酒ですから、蒸留酒であるウィスキーのようなペースでガブ飲みしているとあっという間にメタボ検診に引っかかる身体に大変身する可能性がありますね。
 ……やっぱりウィスキーに戻ろうかな。



 引き続き『東方紅魔郷』の体験版をプレイしているんですが、気付くといつも『Modern Warfare 2』に逃げてる自分を発見します。
 ……いや、難しいんですよ。ホント。
 キャラクタの移動に慣性や加速度が付かない上に、八方向にしか動けない状態では、あの密度の弾幕はそうそう避けられません。旧世代のSTGだというのは分かってますが、それでもXbox360なんていう最新兵器に慣れてしまった今のしえさんには手に余る仕様ばかりです。
 「深夜プラスONE」の管理人氏のように「被弾する度に"We've got a man down!"と絶叫するという方策も採ってみたんですが、しえさんの腕だとひっきりなしに「ウィガラメーンダーン!」「メーンダーンノヴァヒーァ!」「コーァマーン!」と叫ぶ破目になりました。脳内ではハンス・“ドク”・チェノウスが魔理沙の元に駆け付け、その小さな胸にCPRを施しているオリジナルムービーが上映されているものの、相変わらずモニタの中では非情なまでの弾幕が画面を色鮮やかに染めているような状態。
 「いっそのこと、全部米軍っぽく状況報告しながら遊べばいいんじゃね?」という悪魔の解決策をも試してみたものの、雲霞の如く湧き出る敵機を落とす度に"I've got one!"と言わなければならない事に気が付いて断念しました。……バトルチャッタが実装されればいいんですけどね、コレ。ついでにショットの音も銃声にするとかさ。
 してみると、ミリヲタ向けの東方二次創作が無いのはどうしたわけだ。
 同人ゲーだって大量に出てるようですから、せめて『CounterStrike』用のMODなんかが製作されたって良い筈です。それか『BF1942』か。橙が「我々はキティちゃんを連れている!」とか叫んだらカッコいいじゃないですか。
 ……『GTA』には東方のスキンデータがあるそうですが、流石に東方のキャラで市民を轢殺したいとは思いませんね。シュールさという意味では“東方FPS”のアイディアを遥かに上回ってはいますが。



 駄文に一作追加しました。
 ラヴクラフト風の掌編ですが、正直何にも似てません。Chenowthの文体にさえも。



 一言メール返信。


>卯 氏
 東方のことですが、初めてプレーするなら妖々か永夜をお勧めします。紅魔はシリーズ中でも1・2を争う作品なのです。


 貴重なアドヴァイスをどうも。もう少し早ければ、チルノにレイプされずに済んだんですが!




12月26日(土)
アブドゥラサハ・チェノウスキー(挨拶)




いっそ口の中にIUD仕込んでおけよ。
――ヤネク・チェノウスキー





 仮の同居人から、クリスマス・プレゼントを戴きました。





 BBC2で放送されている『Top Gear』の写真入り保温マグカップです。
 ……ライセンス品でも何でもなくて、公式画像のプリントアウトをインサートしただけの、ある意味「手作り」なプレゼントです。レギュラーメンバー三人が写っていますが、残念なことにStigは居ません。備品扱いだから?
 ともあれ、「紅茶が冷めないように」という仮の同居人の気遣いが心に沁みますね。
 しえさんは猫舌なんで、熱い紅茶は飲めませんが
 それと、意図的かどうかは分かりませんが、この辺にも奴の悪意が感じられます。





 マグに口を付けるたびにジェザとキスできる配置
 ……だめだよChenowth、ジェザにはウィル・ヤングという将来を誓い合った相手が(ry



 昼下がりに『ネクロノミコン』を読んでいると、「Ny'thorogmnos」と題された忌まわしい断章を見つけました。


Capfa-per, Capfa-per Nh'thory!
O nedhan ydioh Nh'thory!
Capfa-per, Capfa-per Nh'thory!
O nedhan ydioh Nh'thory!

Wath ashywer Nyng'n gaskie,
de-M'khontow ah,
Capfa-makie nokho-ogh mohto,
mohto skidehth.

Capfa-makie! Capfa-makie! Kuehry woh mahythe,
Capfa-makie! Kuehry ghak, Cthulhu! Cthulhu!
Capfa-makie! Capfa-makie woh Tabeln-oder oyshie'o
Capfa-makie! Capfa-makie woh thaveyoh o!




 ……すいません。「水棲生物」と聞くと、どうしてもインスマウスの系譜に属する何かとしか思えない性質なんで。



 一言メール返信。


>千鳥 様
 「ぷるぷるファルベ」にたどりつけません・・・404.htmlが出るのですけれども。


 リンク修正しておきました。
 手打ちでHTML書いてると、妙なタイポが頻発します。ちゃんとリンク確認すれば良いだけの話なんですが、ここだけの話、Chenowthは無精です。


>名無しの人 様
 クリスマスは何か映画は観ましたか?


 『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』を観ました。
 ニ! ニ!




12月30日(水)
アンチディスハサヒズマイゼイション(挨拶)




次回、衝撃の展開!!
――数え切れないくらい多くの少年漫画





 どうもこんばんは。“鈴仙”を正しく発音できないHans Chenowthです。
 どうしても「レイスン」とか「ライスン」になってしまいます。最近は使わなくなりましたが、ハンドルの変名"Haenschen"も、ちょっと油断すると「ヘンシュン」に。子音-enだとeが脱落するのは音声学的に広く認められる傾向なのか、それともChenowthだけの癖なのか。そんな下らない事が気になって仕方ありません。
 おかげで、暇を持て余すことも無くなりましたが。
 待ちぼうけの最中やコーヒーが飲める程度に冷めるまでの時間でさえ、この日記のネタや、あるいはローラーロッキングシステムとショートリコイルを組み合わせた閉鎖機構を頭の中でシミュレーションしていれば、退屈することはありません。
 かといって、楽しい訳でもないけど。

 その「暇潰し」の一環というわけではないんですが、"I Vow to Thee, My Country"の歌詞を翻訳してました。
 題名だけ見てもピンと来ない方は多いでしょうが、ざっくばらんに言えばホルストの「木星」のメロディーを流用したイギリス愛国歌です。いや、「イギリス愛国歌」ってのは他からの受け売りで、個人的にはそうじゃないと思ってるんですが。
 平原綾香の『ジュピター』が発表された時、「名曲をレイプしやがって!」と激昂したクラシックファンが居たという話をよく聞きますが、別に「木星」の第四主題を使った歌というのは綾香をもって嚆矢とするわけではないようです。……まぁ、ホルスト自身は『惑星』の編曲について神経質だったようですから、ここだけ抜粋されて扱われるのは不本意かもしれませんね。もう死んでるけど。
 閑話休題。
 さて、肝心の"I Vow to Thee, My Country"の歌詞の翻訳ですが、二番を訳していると少し脳ミソが痒くなってきました。
 だって、

And there's another country, I've heard of long ago,
Most dear to them that love her, most great to them that know;
We may not count her armies, we may not see her King;
Her fortress is a faithful heart, her pride is suffering;
And soul by soul and silently her shining bounds increase,
And her ways are ways of gentleness, and all her paths are peace.

いまひとつの祖国があると、はるか昔に聞いたことがある
愛する者には特に親しく、知る者には最も偉大な国
軍隊は持たず、王も戴かず
要塞はその忠実な心、誇りとするは忍耐
人々の魂を渡り、祖国の輝ける領土は広がっていく
その道は優しさの道で、辻々には平和が満ちている



 憲法九条の某国の事ですか
 ……いや、多分スピリチュアルな意味の「祖国」のことでしょうけどね。心の在り様というか、そんな感じの。紳士の心とでも言えば良いんでしょうか。なるほど人間社会には不可欠なモンですが、パレスチナの火種を作ったイギリス人が言うと色々と台無しなのが泣けます。
 あとコレ「英国ではポピュラーな曲」と言われてますが、あまり聞いたことがありませんね。



 大掃除を敢行しました。
 といっても、部屋の有象無象をあるべき位置に戻しただけですが。しえさんのような無精者と、仮の同居人のような阿修羅の住む部屋ともなると、「下手に片付けると、何がどこに在ったか分からなくなる」という性癖も甚だしいものがありますが、年末年始ぐらいはせめて奇麗に整えたいものです。そうするだけの分別さえも失ってしまえば、もう我々は人間として生きる価値がありません。
 早くも読書中だった本をどこに仕舞ったのか、思い出せずに困っている状態。
 アスピリンはどの引き出しに?
 ビクトリノックスは小物入れかな?
 ……とまぁ、こんな風に探し物を続ければ、ちょうど三が日を過ぎたくらいにまた部屋が散らかった状態に戻るという具合です。奇麗なままで迎えられるのは元旦だけ。
 取り繕うように片付けるなんて、見苦しいと思う向きもあるでしょうね。
 でも、世の中のほとんどは刹那的かつその場凌ぎだと、しえさんは漠然と考えてます。



 もう2009年も終っちゃうのか……
 今更であれだけど、俺、2009年のこと……嫌いじゃなかったぜ。



 一言メール返信。


>名無しの人 様
 ひぃ!呪われし死の呪文か!
 ではこちらも「それ」で対応してみおうw


 ニッ! ペンッグ! ニーワム!
 そういや農業に転向されるとのお話ですが、まず手始めに生け垣を作ってくれませんか。高さを変えて階段状にして、間に小道を通したやつ。ニ!
 あと年末はElbowの『The Seldom Seen Kids』聴きます。毎日聴いてますが。特に「Grounds for Divorce」


>千鳥 様
 こんどはeのあるなしが上の(duesseldorf)と揃わなくなりましたよ・・・リンクとしては機能してるからいいかー。


 もっと言うと、弁護士はデュッセルドルフに居た筈なのに、今回の舞台が何故かフランクフルトになっているというポカミスも犯してます。
 地理的にはメチャクチャですが、しえさんが敬愛するババアゆかりんが書けたので満足です。――というか、実際ファイル名はあんまり考えて名付けた事がありません。タイトルと同じくらい無頓着に付けてます。